2010年8月22日日曜日

小説 田中角栄〈上〉 (徳間文庫)

著者 : 邦光 史郎

訳者 : -


整理番号 : 1034

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:973373

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ヒロシの書評:
夏休みに帰省。ノートパャRンは持ち込んだものの、なんとなく仕事ははかどらず、父の本棚から引き出して、読みました。
設計の仕事をゲットする営業はどうすればいいのか、そして、人脈の広がらない悩み。そんな僕とは、正反対の人物であろう田中角栄が、なんとなく気になったのでした。
僕の世代からすると、田中角栄といえば、ロッキード事件。子供心に、報道は悪の権化みたいな扱いの感じだったと言う記憶だ。大学に入っても田中角栄がらみの仕事は絶対しないと豪語するやからもいたとか・・そんな時代であった。
そんな僕も、勤めた設計事務所は、小佐野賢治氏の国際興業とのかかわりの深いところで、・・報道と現実のギャップをなんとなく受け入れる感じですごしてきた。
デモね、政治と裏献金の問題は、ロッキード事件以降も相変わらずだし、さらに拡張して考えると、法律や補助金だって特定企業の思うままに操られ、その結果、特定の企業や特定の団体に、補助金やら商売上の優遇が与えられて、何億何初ュ何百億の利益を得ているといういると思えば、それもたいした事のないように見えてしまう。
たぶん、そんな思いから、むしろ田中角栄の生い立ちを見てみたくなったんだと思う。
何せ、「日本列島改造論」をあらわし、建築士の制度をつくり日本の一級建築士第1号(・・確かそういう記憶なのですが・・)で、戦後日本の建設土木開発の権化(また権化ですが)のような方ですから。

前段が長くなりました。
でも、以外というか、田中角栄の若いころの話を読んでいると、すごく好感が持てたのです。
子供のころ角栄氏の総理大臣の映像を見ていると、戦争に行っているなんて、なんだか想像だにしなかったのですが、徴兵されて満州まで行ってるんですね。
そして、描かれているの角栄氏のラッキーさと、要領のよさ。この要領のよさって言うのは、嫌われながらもずるがしこいのではなく、頭が良くて、人懐っこいく、人に慕われる(重宝される)事から来る要領のよさ。ま、うらやましいです。
ラッキーというのはすごくて、徴兵後の満州でラッキーにも病気で兵役を離脱、その病気も生死ををさまよいながらもラッキーにも無事回復。回復後は、建設会社の娘と結婚し、建設会社社長へ。その建設会社は戦時中も、官庁の軍事施設を請負会社は順風満帆。
またもや軍事関連工場建設のため満州へと行く事となるが、そこで終戦。普通はここで生死をさまようパターンもあろうが、悠々船で帰国。それもカクエイの乗船名簿の名前を女性と勘違いしたため、いの一番い乗船させられたという。恐るべし。
戦後になると、どうも建設会社の規制があり建設会社の数自体制限されていたようであるが、戦前の官庁工事の実績から指定の建設会社となる。全国焼け野原の状況であるから、指定の建設会社となれば、おいしい仕事がどんどんゲットできたのは想像に難くない。
要領のいい性格から、民間の企業の人脈ともつながり、また、神楽坂では芸子にモテモテと、・・・ウーン、男にしては、バブル期以上に、うらやましい限りである。
また、戦後まもなくは、政治的にもまだ、混迷の時代。佐藤栄作・田中角栄=自民党って感じで、もうそれは決まりきってること、って子供心にテレビを見たいたけど、思えは戦後、自民党ができるまでは、政治的にも混迷の時代だったのですね。
何せ、読んでいるとGHQ内部でさえ、左派・社会党容認派の民生局(GS)と、右派系のG2(参謀第2部)があって、まだてんてこ舞いだった。
そんな時代だから、金に融通の聞く田中にご指名が上がった。選挙だって田中がはじめて立ったのは、戦後はじめての衆議院選挙で、女性の参政権もはじめてなのですから・・めちゃくちゃだった。
選挙は楽勝だったはずが、裏切り行為あり、などで、雪の中の選挙戦、弁論会場の参加者はゼロのところもあったり、始めての選挙は時点で落選してしまう・・。そこに、田中角栄の政治家魂に火がついた・・・のだとか。
てな事で、2回目の選挙では、当選し、田中角栄代議士が誕生したのだと・・・

今から考えると、すごい時代だったのですね。
ぐちゃぐちゃした時代だったからこそ、エネルギッシュな田中角栄が生まれれきたのでしょうね。
それに比べると今は何もかにもが整ってしまって、・・特に建築関係は・・というのはいがめない。
とはいえ、ITで明らかにある面では時代が変わっているし、何といっても田中氏の人付き合いのうまさ、要領のよさは、学ばなければならないなー。
学んで、学べるものじゃないかもしれないけど・・努力しなきゃと思ったよー。
それと、やっぱり運ってのが、人生には決定的ではあろうって思った。でも、これだけはしょうがない。逆に言えば、いま運がないのは、自分のせいではないって事。しょうがない、笑い飛ばすしかないね。
学ぶべきは、考えてばかりいないで外に出ろ!って、今の僕に言い聞かせました。


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