2010年4月16日金曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

著者 : 岩崎 夏海

訳者 : -


整理番号 : 1033

分類 : 社会・経済・経営 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:6

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ヒロシの書評:
ジム仲間のチナちゃんから「ヒロシ、読んだほうがいいよ!」って、この本を貸してもらって読みました。
チナちゃんは、自分でリンパマッサージのお店をしているから、ジム帰りに飲みに付き合って、「ヒロシ、もうかってる?・・」なんて言われて、話をしています。そんな、チナちゃんは、ぼくより15歳も若くて、でも「へー、そんな本読んでるんだ!」って思って借りました。
ぼくも、ドラッカーを少しはかじっていて、新訳 現代の経営 (ドラッカー選書)ポスト資本主義社会 -21世紀の組織と人間はどう変わるかは、読んでいます。で、「ちょい、ちゃらけた本だな」って、思いつつ、人生川の流れのままに派なので、まあ読んだのです。


「ストーリーも、ドラッガーの「マネジメント」実践して、弱小の公立高校が甲子園に行く、なんて、随分出来すぎた、題名どおりの話なんですね。題名どおりちゃらけている。だいたい、本のとおり実践して、成功したら、そんな楽なことはない。本を読んでも、なかなか実践できなく、悔しい思いをしている人がほとんどなんですから・・それも経営の話じゃなくて、甲子園だなんて・・ふざけている!?」
と、思うのですが、でも読んでみると、違って面白い。
ひとつに、ドラッガーの「マネジメント」の実際の文章を、野球部のマネジメント的活動にあわせて、丁寧に説明していることだ。
活動の論拠が全て「マネジメント」によっていることだ。案外、「マネジメント」のような経営書は、「当然だろう」って言うことが書いてあるし、事例も実際の経営の話だろうから、思わず、読み流してしまうことも多い。このように実際に即して、どう解釈するのか、読み解いているところが、すごいよ。主人公のみなみも「マネジメント」をボロボロになるまで読み込んだようだから、著者も随分読み込んだろうと思う。
また、逆に考えて、日本の高校野球部で、ここまで、論理的に行動しているところがあるだろうか。それも当事者の高校生自らの行動によって・・。高校野球というと、ながーい練習時間、きつーい練習。もしくは、ある優秀な指導者が、隅から隅まで指導しまくった結果。というイメージが、ぼくの年代には付きまとうのではないだろうか。しかし、2007年佐賀北の優勝、2009年には野球最後進国岩手の花巻東が準優勝となる時代である。読んでると、なんとなく「あり得る!」なんて思ってしまうのだ。「マネジメント」をとおして日本の高校野球の課題を、浮き出させているようにも思える。
もうひとつに、意外と面白いストーリー。最後は同級生の夕紀が、決勝戦直前に亡くなってしまって・・・でも、優勝という、思わず泣いてしまいました。まあ、定番・・って、言えそうですが・・
岩崎先生、「意外と」「定番」なんていって、すみません。でも、本当に面白かったです。


読み終わって、「自分への反省」と「勇気」が入り混じっています。
ぼくは、高校時代ガリ勉の領域でした。たいした出来るわけないのにね・・。我が母校高校(岩手県立黒沢尻北高校)は創立80年も超えるのに甲子園出場なし。最大のチャンスのひとつが私が3年生のとき岩手大会で決勝まで行ったのです。・・うーん、でも、そのときさえ応援に行かなかった冷めている僕がいた!!そして、大学もスキーと個人スポーツ。
仕事も、われが一番とって入る設計事務所ですから・・そして今の僕の悩みがなんとなく社会という組織からの疎外感、限界なのですから・・。そんなわけで、「マネジメント」と組織というのが、私の今に厳然として立ちはだかる、課題というものなのです。それを、この本にあらためて、突きつけられたように感じました。
でも、この本を読んでいると「高校野球」という比較的に身近なテーマが、「やれば出来るかも」という思いにさせてくれます。
最後に「あとがき」がまた面白かった。
これって、作者の方が、ドラッガーの「マネジメント」を読んで、「こんなストーリーの小説があったら面白い」とブログに書き込んだら、編集者の目にとまって、実現したとの事。それも、この時点でamazonランキング6位ですよ。それと著者は芸大で建築学科出身・・大学は違うけど同じ学科。・・うーん、人生どう広がるかわかりませんなー。(とはいえ、裏にはいろいろあるのかもしれませんが・・)
僕も、営業と人間関係がんばろうって、「勇気」もらいました。チナちゃん本ありがとう。読み終わったので、返しますね。

参考


チナちゃんのリンパマッサージは人形町でこちら-->CocoRo
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2010年4月12日月曜日

思考の整理学

著者 : 外山 滋比古

訳者 : -


整理番号 : 1032

分類 : 人文・思想 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:21

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:思考の整理学 (ちくま文庫)

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ヒロシの書評:
超ベストセラーって聞いて、ブックオフで平積みされていたので、まあ、読んでみるかと購入。
KNOW,HOW本でしょ、基本は! 知ったところで、なかなか出来ないんだよね!なんて読んだのですが。

先生、よく寝なけりゃ、駄目なんですね。
寝かせないと、アイディアも、人間の頭も。
それに、グライダーから飛行機へ! 自分でコントロールして動くものを、生み出すのって、大変なんですよね。
時間がかかるんですよね。
生み出せないで、悩んでいる僕。少し救われました。

でも先生、原稿のネタ帳を、整理して、年に一冊つくり続けているって、すごいです。尋常じゃなかなか出来ないです。

デモ、でも、先生のこの本の言葉、信じて、がんばります。(もうすぐ50歳の建築家)
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蹴りたい背中

著者 : 綿矢 りさ

訳者 : -


整理番号 : 1031

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:33907

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:蹴りたい背中 (河出文庫)

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ヒロシの書評:
「文学史上の事件となった127万部のベストセラー。史上最年少19歳で芥川賞受賞作」(斎藤美奈子 解説)だそうである。
金原 ひとみの「蛇にピアス」と一緒の受賞だから呼んでみようかなって、購入したのですが、そんなすごい作品だったのか!!って、改めて知った。
なんか、僕にはぴんと来ない題名だし、気軽に読んだのですが・・
ムム・・読み終わると、なんだか、清涼感!!って言うか、妙に、青春のすがすがしさを感じてしまう。透明さって言うかな?
ジジイが、読むからそう思うのかな?
書いている内容は、青春のやるせなさ、なんだかわからない感情・・それも暴力・事件・セックスがあるのではなく、日常の風景。
若いころの感情が、妙に新鮮に感じられた・・そんな印象で読み終わった。
127万部のベストセラーも、文才のない僕でもなんとなく理解できる感じがした。

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|新訳|科学的管理法

著者 : フレデリック W.テイラー

訳者 : 有賀 裕子


整理番号 : 1030

分類 : 社会・経済・経営 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:9743

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:|新訳|科学的管理法

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ヒロシの書評:
名著らしいが、旧翻訳はあまりにも高価なので、購入をあきらめたいた。
この新訳は、手ごろなので、つい購入。

この本には、非常に明快な結論がある。それが、古典たる強みであるのだろう。

1.実のある科学を導き出す。(たぶん、有効な分析方法を導き出す)
2.働き手を科学的な視点に基づいて選り抜く。
3.働き手に科学的な訓練や育成を施す。
4.マネージャー層と最前線の働き手の間に温かい協力関係を築く。
(p171.原注。注7を抜粋)
が、結論である。これぞ、マネジメント。
さらに、後段でこう結んでいる。
「新しい時代の到来」(新しい時代とは、初版で1911年)という小段落。
「周りから手助けを得ずに、独力で偉大な成果を上げられる時代は、足早に過ぎ去ろうとしている。いまや一人ひとりが自分に最もふさわしい役目を担い、自分の持ち味を最大限に発揮すると同時に、独創性や自主性を失わずに他の人々と歩調を合わせ、かつ上からの管理にも従う--そんな時代が幕を開けようとしている。」
いままさに、それが加速されているのであろう。

そんな中、自分は、これで良いのか。
建築家とは、これと、間逆の志向性を持つ職業である。つまり、自らの知性と信念から、様々の要素を総合的に判断し、組み上げる能力。「科学的管理法」とは間逆に、いま、世の中に欠けている建築家という接着剤のための職能。そして、PC・IT技術がそれをサポートする。そんな可能性はないだろうか。
しかし世の中は「科学的管理法」による「組織」全盛であろう。建築家も、ごく一部の著名デザイナーのみが、「組織」と共同しながら、生き延びる時代なのか・・。
私としては、!!「統合という建築家の職能」と「IT}で突破口を見出せるのか!!、!!方向転換が必要なのか!!、重要な節目なのかもしれない。
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蛇にピアス

著者 : 金原 ひとみ

訳者 : -


整理番号 : 1029

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:52383

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:蛇にピアス (集英社文庫)

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ヒロシの書評:
若い女性作家が芥川賞。その上、片方の題名は「蛇にピアス」。発表されてとき、ゲゲ、って思って、読んでたみかったけど・・単行本をかうまでもないとほっといた。でも、文庫でそれも古本を見つけて、読みたくなったのです。
金原ひとみ、は、二十歳で芥川賞ですか。すごいですね。・・こっちは50をまえに・・・
内容は、期待通りって感じ。
もともと、SM的なのには、なんとなく理解できるとこがあるからね。・・生理的に駄目な人もいるでしょうが・・。
でも、それだけでなくて、ストーリーの構想力もしっかりしている感じがしたなー。さらに、心の動き、情景、ディティールもしっかり描いている感じがする。
二十歳のとき、俺は、何してたんだろー。・・そう思うとその才能は、すごいものがあると思うなー。
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星々の舟 Voyage Through Stars

著者 : 村山 由佳

訳者 : -


整理番号 : 1028

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:14328

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

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ヒロシの書評:
・最近の直木賞の小説って、どんなの? それとこのごろの女性作家って、何を書いているのかって?思って、購入。
アマゾンの書評嵐さんでは、「父親の再婚で継母の連れ子としてやってきた妹と恋愛関係に陥る兄。実はその妹は父親が継母と不倫していたときに出来た子どもだと知り、近親相姦に悩み妹と別れ、別の女性と結婚する兄。」 と解説していたので、ちょっとエロイの?なんて若干期待したりして・
2009・12・8に読了。が、なんだか、あらすじが思い出せない。家族のそれぞれの短編を、あわせたようなつくりのせいかもしれない。
ただ、すごく印象に残っているのが、家族に形態。小説とはいえ、いろんな家族がいるんだと思った。というか、家族に中でも、それぞれ、いろんなことがあるって言うか。
なんだろう、かたちにはまった家族って言うのが、いまや崩壊しているような感じがする。
大家族→核家族→人生いろいろ家族・崩壊家族って感じでしょ。
僕の子供のころは、父は10人兄弟。父に実家は金物屋さんで、盆正月は、北海道から東京まで散らばっている兄弟が集まり、さらにその夫婦子供も含めて集まるのですから、大宴会でした。そんな雰囲気は、内気な僕は、大の苦手だったのですが。母も5人兄弟で、夏休み、冬休みともなれば母方の兄弟の家に遊びに行って、歳の近いいとこと遊ぶのが、楽しくて町どうしかった。そんな時代でした。
僕は、一人っ子で、典型的核家族。両親は共働きだったので、母の姉のおばさんが、母代わりにめんどうを見てくれている、そんな感じでした。
いまの僕の家。妻と、子供二人。上の娘は高校生になって、妻も忙しそうにしているし、ウーン。家族でがんばるーって感じじゃなくなっている。
そういえば、テレビで、未婚率・離婚率の話をしていた。
改めて調べると。男50歳の未婚率50%、女は6.8%。30-34歳だと、男47%、女32%。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1540.html
離婚率は千人中 「 2.04人」ですが、離婚件数 (261,917組) ÷ 婚姻件数 (714,265組) = 36.6%
http://www.mw-personal.jp/rikon.html
だそうです。
家族自体が変わってしまった。仕事上、住まい・街・都市が随分変わったと思っていたのですが、家族の概念自体が大きく変わってしまった。
そんな、家族像が印象的でした。
子供のころ、あまりラブラブのそぶりを見せなかった両親も、年老いて、二人で「励まし合って、暮らしている」って、手紙に書いていると、「幸せなんだなー」ってつい思ってしまう。
いまの時代、本当に幸せの社会に進んでいるんだろうか?って、つい後ろ向きに考えてしまうのです。
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日本の思想

著者 : 丸山 真男|丸山 眞男

訳者 : -


整理番号 : 1026

分類 : 人文・思想 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:2604

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:日本の思想 (岩波新書)

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ヒロシの書評:
この本、思想・哲学という売れないジャンルの本の割には、そうとうの売れ筋ということらしい。うーん、どこかで書いていた。
めちゃくちゃ単純にしてしまうと、「長いものに巻かれろ的発想と、深く考えずに目先の利にみんなで一緒に飛びついちゃう」そんな日本人への批判書なのかな?
でも、そんなにいっぱいの人が読んでいても、なんだか、変わらない日本・・・なんだろうなって、思ってしまう。
本書の本流からすると、細部の話かもしれないが、僕の「すごーく」気になったのは、この部分。
「学問や芸術における価値の意味」p177で、下のように言っている。
「芸術や教養は「果実よりは花」なのであり、そのもたらす結果よりもそれ自体に価値があるというわけです。こうした文化での価値基準を大衆の嗜好や多数決で決められないのはそのためです。・・・・政治や経済の制度と活動には、・・せいぜい「先例」と「過去の教訓」があるだけであり、それは両者の大きな違いを暗示しています。政治にはそれ自体の価値などというものはないのです。(p178)」
ここに、建築、もしくは設計という行為の悩みが隠されていると思う。建築・設計という行為は、「社会的資本を蓄積する文化的行為」である一方、「経済行為」であるという現実。建築・設計行為は、その二つの相反する綱引きの中にある。
どうも、世の中は「経済行為」に、重点が置かれているような・・。果たして、建築は、顧客満足度のみを優先し、見えざる手が、美しい建築・街を築くことが出来るのであろうか。
「そんなことを、言っていては、仕事は取れぬ。経済的実現性がなければ、プロジェクトは実現しないのであるから。まずは、実現せよ。そこに設計者の文化的行為が少しでも反映されるのだから。かつて建築家・村野藤吾が「建築に1%の村野が・・」といったように。」
もしくは、こうもいえるか。「丸山真男のそのような考えを、真として、全て受け入れていいものか。芸術的・文化的活動や思考が、全て経済行為に組み込まれないともいえまい。デザインとして経済活動にコミットしながら、芸術的・文化的活動や思考を実現する建築家も多くいるのであるから・・」
その前に、君の設計は、「芸術・社会的領域なのか?」と問われると・・・それは、自分でそう思っているしかないのである。
まあ、そう、自分に言い聞かせ、「芸術文化的行為」と「経済行為」の悩みは、続く・・。

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日本文化史 第2版

著者 : 家永 三郎

訳者 : -


整理番号 : 1025

分類 : 人文・思想 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:175336

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:日本文化史 第2版 (岩波新書 黄版 187)

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ヒロシの書評:
これもたまたまブックオフをぶらついていて購入。
家永三郎といえば、「教科書裁判」の人、って感じ。僕の世代かな、子供のころNHKのニュースでよく出ていたね。政治思想のリベラル派・反権力志向の代表ってイメージがある。
それで、この本を、手にして、へー!って思った。
学校で習う歴史って、どっちかって言うと、どんな人がいて、人の行為と行為の結果の権力に関係がどうだって、話が中心ですよね。文化については、だいたい時代ごとの章の最後にまとめてこんなのがあったよ、代表的な人と作品名を覚えなさい!って感じで、お目かみたいな感じじゃないですか。
僕は、どちらかというと、その章末の「文化欄の解説」が、結構好きだったんですね。ヘレニズム文化の解説・写真、法隆寺の写真、お城の写真、地理では大ロンドン計画とかブラジリア・キャンベラの図を見てニヤッとしていた。のっていうか、人間関係って興味なかったのかも(理系思考で、これ、やっぱりもんだいなんですが・・)。
で、この本を読んで、文化中心に歴史が語られ、歴史が「ちょいと、身近に感じられた」のです。
なるほど、1959年の著者のはしがきでは「文化のそれぞれの分野を対象とした特殊文化史というもの・・・の書物はりっぱなものがたくさん世に出ているが、日本文化全般の発達を概観した日本文化史の通史は、少なくとも戦後あまり出ていない。・・・新書の中に日本文化史の1冊が企画され、それが著者に割り当てられたのは、そういう理由によるものであった。」とある。思わず納得である。
薄く、広くが基本だあるが、やはり視点を変えてみることは面白い。
私の気ななった点を、3箇所ばかり。
まずは源氏物語。「『源氏物語』といえども、全体の組織の弱いことはたしかで(p89)・・『源氏物語』の最大の強みは、長編の構想にあるというよりは、・・・多数の人物の個性がそれぞれ的確に書き分けられていること、内面的葛藤が微細にえがき出されていることにおいて、近代小説に恥じない描写力を発揮していることにある(p90)」のだそうで、まさに日本人好み、日本文学の本質そのものだあるのだろうと納得した。
次に「理論的な著作の出現」として、鎌倉時代を論理的思考の転換点としていることである。
「理論的思弁の成果として芸術の成果に匹敵するものにとぼしい事実は、否定できまい。その点鎌倉新仏教は、中国や西洋の哲学思想に比べても遜色のない、世界人類思想史の最高の所産のうちに数えられる高い価値を持つ精神遺産である。抽象的思索に長じない、日本人の文化の中では、類例の少ない論理的業績といえるであろう。(p133)」としている。
その例として、
1.藤原俊成、藤原定家の「幽玄」の思想
2.北畠親房「神皇正統記」によろ歴史の論理化
3.伊勢外宮神官による「神道五部書」による民族宗教の論理化
4.鴨長明「方丈記」、吉田兼好「徒然草」の哲学的思索
5.朱子学の伝来-禅宗文化の一貫として、朱子学が禅僧の間からまず研究
を、指摘している。
最近私は、日本の建築文化のターニングポイントは、室町時代にあるのだと思うようになっている。遡れば、60年代丹下健三の弥生・縄文の議論、磯崎氏などが論ずる伊勢神宮・その対極としての法隆寺などと、文化的原点を遡ることも可能であろう。
しかし、書院という日本の住宅スタイルが生み出され、禅宗寺院の明らかに意図的な石庭などが生まれる。さらに、その観念的延長に、わび・さびの世界、茶室・数寄屋という建築空間が広がったとすると、そこは大きなターニングポイントであったように思える。
さらに、建築文化ターニングポイント・室町時代の背景には、うえの、鎌倉時代の「論理的思考の転換」であったとすると、非常に頷けるのである。
著者は「理論的思弁の成果として芸術の成果に匹敵するものにとぼしい」と書いているが、「理論的思弁の成果として芸術が、生まれた」とも考えられる。「幽玄」「無常」「簡素化」「論理的」思考が、その後の建築デザインを決定付けたとすると、あまりにも納得なのである。
ちなみに日本で始めての建築家らしき人は、誰か。磯崎新・伊藤ていじらは、重源と言っているように記憶しているが、まさに、東大寺南大門を建立した鎌倉時代の人である。
そんなことで、建築の流れと、文化的な流れが一致したような、プチ発見で、不学な私のプチ喜びに、ニヤッである。
三つ目は、チョイゴシップ敵ネタ。(p199)「「和服」の特色を、日本古来の服装の伝統であるように思ったら、たいへんな考えちがい」だそうである。
「生産的役割がなく、自主的活動の自由を失って、いわば男性の性欲の対象に過ぎない地位に堕ちた、武士や上級町人層の女性たちは、能率を犠牲にしても、人形的な「女らしさ」を示すにふさわしい不自然な服装に甘受せざる得なかった。」のだそうで、「肉体労働に明け暮れる農村では、・・・近代に至るまで、筒袖と短い裾の上着または股引とからなる能率的服装をやめなかった」そうで、・・
いや、まてよ・・・「男性の性欲の対象に過ぎない・・・富裕層の女性」もいるし・・、いまは逆転して「男性の性欲をもてあそぶ・・・富裕層の女性」もいるから・・・うーん、なんだか、わかねー。
以上。

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車輪の下

著者 : ヘッセ

訳者 : 高橋 健二


整理番号 : 1024

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:54311

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:車輪の下 (新潮文庫)


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ヒロシの書評:
読んでいない名作を読んでみたくなって。
ヘッセの自伝だそうで・・
勉強のできる少年。

うーん、やっぱり、一度は、そんな体験がしてみたいなー。
僕自身は、ずーっと劣等感の固まり。ま、ちょっとはできることもあるのだろうけど、うーん、中途半端。
ヘッセ少年は、勉強で、頭が痛くなることもあるんだね。
僕は学生時代、眠気だけが襲ってきたような。・・いまは、頭がいたーいけどね。

出来る少年は、それなりに悩みも深いのかもしれない。
友人・人生・生きるって事に・・深く考えるのだろうね。

でも、最後が、あまりにも悲しい結末だ。
酔っ払って、河にはまって、死んでしまう。
・・・悩み深い人間も、どこかで救済される望みが欲しいな。
さいごは、あまりに悲し過ぎる。
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日本の庭

著者 : 立原 正秋

訳者 : -


整理番号 : 1023

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amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:日本の庭 (新潮文庫)

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ヒロシの書評:

給料振込み後、フラーっと、ブックオフによる癖がある。

近所は、たいした本屋もなく、ブックオフは、安いし、不況のときは、結構、掘り出し物があったりする。フロイトの「夢判断」は、読みたくて、インターネットで買ったけど、新品が売っていた。

で、ボーっと見ていると、立原正秋・日本の庭 (新潮文庫)が目にとまった。北原白秋・立原道造となんとなく、名前がダブって・・・「へー、そういう人が、庭の本書いてるんだ!」て、ボーっとした頭で、早合点。それと、表紙の庭が、「慈光院」の庭に似ていて(実は、詩仙堂)、気になって買ってしまった。最近は、面倒な本を読むのに、少し疲れていて、気軽に読めるかなとおもってね・・。立原正秋先生は、すごい、作家だったんだ。知らなくて、すみませんって感じ。

紹介の庭も、半分ぐらい?、いや1/3かな?、それぐらいは見たことがあって、なんとなく納得できた。枯山水は、よく「禅の思想」と結び付けて、説明されて利しているのを、見かけるが、先生は、それをほぼ全否定。実用性と、庭師の美意識によって、説明していたように思う。デザインと思想なんて、あんまり結びつかない??確かにそうも思うことがあるけど、逆に、作る側から美意識を追求すると、思想的背景にいちゃるかんじもする。どうなんだろうね・・

そう、庭の本を読んだのも、最近は、家をつくるオーナーも、庭の美意識のかけらもないような人が、ほとんどって感じがする。家自体が、外と繋がる、庭や外部と一体的なイメージがなくなってしまった。閉ざされた、家・・。その中で収まっている感じがするな。

庭といわず、街や、都市との接触もない。ひたすら、囲まれた家の、コスト、断熱性能、部屋うちの施設で完結している。これで本当に、エコロジカルとか、100年住宅とか、都市の創造とか、言えるのだろうか。

家が、街と、自然と一体のシステムとして、できれば、経済のシステムとして、考えられるのが、社会的理想ではないかって、感じるのです。

ということで、庭の話は、僕にとっての、清涼剤って感じでした。

2009.8.2「建築家ヒロシのデザイン生活」再掲



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丸山真男『日本の思想』精読

著者 : 宮村 治雄

訳者 : -


整理番号 : 1022

分類 : 人文・思想 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:1431139

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ヒロシの書評:

「逆読みのすすめ」


僕も、どちらかというと、原本主義で、「解説の類はあんまり当てにしていない」というのが、僕の傾向。

でも、才気原本を読んで、その解説を読むって言うのも、結構いける、って最近思った。それで、丸山真男もちょっとかじってみたいなって、思っていて、本屋を覗いてたらこの本があって、「エイ、解説本」から読んでしまえと思って、この本を購入。

原本を読む前に、解説本を読んでしまう逆読み。

で、読んでいると、著書の宮村先生も逆読みではないか。

こちらの逆読みは、解説を原書の最後の章から解説するってもの。

原書では、「1.日本の思想 2.近代日本の思想と文学 3.思想のあり方について 4.「である」こと「する」こと」という章立てであるが、この解説では「4.「である」こと「する」こと→1.日本の思想 2.近代日本の思想と文学 3.思想のあり方について」の順番となっている。

そういう読み方もあるのかって、チョイ発見。

これは、「「近代」と「開国」というテーマをめぐる思索を通して、やがて「日本思想史」全体に対する丸山のパースペクティブが立ち現れてくる思想的コンテクストを示す作品として理解できる・・・そのためには・・・おしまいから逆に読み返していくことにします。それは、単に、最初の論文が一番難解だからというだけでなく、そうした順序で読むほうがこの書物のコンテクストを良く捉えられると思うからです。」(p29)ということで、なるほど。

・・

で、読んでみると、やっぱり原書を読んでいることが前提なので、・・・うーんー・・・

しかし、宮村先生の解釈、時代背景の解説もあるので、原書を読んでいなくても、ぼんやり理解できたような・・感じが。

・・

その後、「日本の思想」を読んで、私が気になる部分を、十数か所チェックしておいたのです。それで、改めて、この解説本で、宮村先生が「日本の思想」から引用した部分と合致した部分があるかな、と思って見直すと、一致していたのは、ただ一箇所。

「日本の思想」p177「学問や芸術における価値の意味」で、アンドレー・シーグフリードから引用して用いてる部分で、

「教養においては、しかるべき手段、しかるべき方法を用いて果たすべき機能が問題なのではなくて、自分自身について知ること、自分と社会との関係や自然との関係について、自覚を持つこと、これが問題なのだ。」(・・精読p75)

にぶぶん、1箇所のみ。

やっぱり、私の読解力はこんなもの? 読解の方法は人によって様々なのだ!とは、なかなか言い切れませんし(優柔不断な俺)。

・・

逆読み・逆読みの邪道読書もたまにはいいかも。




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斜めにのびる建築-クロード・パランの建築原理

著者 : クロード・パラン

訳者 : 戸田 穣


整理番号 : 1021

分類 : 建築_評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:309630

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:斜めにのびる建築-クロード・パランの建築原理

写真案内・文庫・再販:

ヒロシの書評:

久しぶりに建築の本を読んだという感じ。

とはいえ、この本の原書は、1970年に書かれている。日本では、機能主義全盛。丹下健三が大阪万博でお祭り広場を作り、メタボリズムに代表されるように、若き建築家は、皆都市を論じ・空想的都市を描いていた時代である。(アレー、改めていま、メタボって書いてみると、変な感じ。おデブ?建築?じゃありませんー)

解説では、現在活躍しているコープ・ヒンメルブラウ、ダニエル・リベスキンド、ジャン・ヌーベルが、この著者の影響を受けたとのこと。前の二人はポストモダン以降の、デコンストラクションの範疇に属しそうだし、ジャン・ヌーベルにしても、機能主義には陥らない「ヌメッと感」のデザインは、「斜めの建築」というお題になんとなく、符合する。

私事ですが、3D設計から、垂直・水平でない曲体建築の可能性を、模索しているし、そんなことこら読んでんでみた。(いまや、3D設計ではなくBIM、曲体ではなくアルゴリスティック、パラメトリック・デザイン、などと歌われているので、もっとぶっちんでいるかもしれない。)

読んでみると、意外と機能主義的発想から、「斜めの建築」を提案しているのが、以外であった。

垂直水平システムに対し、「斜めの建築」の優位性は、①最短の移動距離②垂直・水平移動の移動スペースの無駄の解消、を主張する。

また、「垂直水平システムの空間が孤立をもたらすのに対し、斜めめの建築は交流をもたらす」と、社会的趨勢は「垂直水平システム」まっしぐらの中、批判的精神で、新しいシステムの構築をめざす、反骨の精神を感じた。

「垂直水平システム」を読むと、モシェ・サフディを連想してしまったが、そういえば、モシェ・サフディは、トンと忘れていたー。

資本主義・消費社会の中で、「垂直水平システム」は現在のところ圧倒的優位というところか。「垂直水平システム」のまったく単純なシステム。誰でもすぐに理解できる。つまり、この単純極まりないシステムは、グローバリズムと大衆性に合致している。さらに、「高さ」と「孤立した空間」が、個人の欲望を限りなく満足させる道具となる。「高さ」と「孤立した空間」は、顧客満足度NO1の空間の提供ということであろう。

実際、「斜めの建築」を実現しようとすると、空間の配置は、非常に複雑で・難しいものとなる。エレベーターなどの移動システムとの調整もはるかに難しい。部屋に対する視界や日照のコントロール・予測も難しい。

というわけで、モシェ・サフディのような建築もすっかり忘れ去られた。

しかし、PCぼ出現による革新がアルゴリスティック、パラメトリック・デザインを生み出そうとしているいま、難題を解決しつつ、「斜めの建築」が、かたちを変えて生まれる可能性もあるように感じる。

しかし、最大の敵は、資本主義・消費社会システム?なのかな??

・・

形態操作が選考していると思っていた、コープ・ヒンメルブラウ、ダニエル・リベスキンド、ジャン・ヌーベルが、こんな批判的精神の中から生まれたとは、納得できた部分でもある。

才能のあるなしは別にして、批判的精神が、このような建築家を生んだとは、少しばかり、勇気付けられた。

20010.3.22



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男子の本懐

著者 : 城山 三郎

訳者 : -


整理番号 : 1020

分類 : 文学・評論 | ヒロシの分類 : - ,- | amazonランキング:1814

amazonで見る(右タイトルをクリック)) タイトル:男子の本懐 (新潮文庫)

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ヒロシの書評:
確か新聞の書評で、城山三郎の代表作とも言える作品・・のように紹介されていて、読んでみたくなる。
昭和5年金解禁を遂行したときの総理大臣浜口雄幸と蔵相の井上準之助の話。
金解禁の経済的評価、文学的評価はようわからんもですが、・・・
でも、二人の苦境から立ち上がって、事をなす、そんな姿に感じるものがありました。
総理大臣浜口雄幸は、だって、野党にいて、随分遠い道のりだったと思いますが、それを乗り越えて、総理大臣になったんだから、すごいでしょ。
それも、野党のときは、なんか、完全に手弁当の乗りなんですから。
その上、総理大臣になってからは、自らの信念である金解禁を、実行してしまったってのも、すごいと思うなー。
そこには、井上準之助という男がいて・・・エリートではあるけれど、彼も左遷させられた格好になったけれど、その間留学先で本を読んで研究を欠かさず、金解禁の立役者となった。
最後は、二人とも暗殺・・・劇的過ぎます。
当時は、スゴーイ社会だったんだとも。
まずは、そんな混沌とした社会にあって、この二人は、「目標を描いていた」というのがすごいと思うし、
才能は、まったく違うとはいえ、逆境から、自分の信念を成し遂げる姿は、すごいと思う・・勇気付けられます。
そんな「勇気付けられる」ところが、城山三郎の正攻法でいいところなんですかね・・



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